競売のスケジュール
任意売却にはタイムリミットがあります。一定の時期を過ぎてしまうと、任意売却を進めることが困難になってしまいます。
その時期とは「競売入札開始の通知」です。競売では一連の手続きがあり、そのスケジュールを知ることは任意売却の成功を大きく左右することになります。
以下、競売の大まかなスケジュールです。
①住宅ローンを3ヶ月滞納
この時点で金融機関から督促状が届きますが、もしそれでも返済されなければ、金融機関からの呼び出しにより返済方法について協議します。すでに“期限の利益の喪失”状態となっているため、金融機関は、親族から資金援助を提案するなどして一括返済を要求します。しかし、親族とは言え数千万円の資金を用立てるのは難しく、協議は物別れに終わるケースがほとんどでしょう。
②保証会社による「代位弁済」
住宅ローンの諸費用に「ローン保証料」という名目で数十万円の金額が記載されていると思いますが、これは「保証会社」が手数料を徴収して、債務者の保証人になっていると考えて頂ければわかりやすいと思います。債務者が一括返済できないとなれば、保証会社が肩代わりすることになり、金融機関に一括返済(代位弁済)します。この時点で、ローンの債権者は金融機関から保証会社に移り、保証会社は債務者に対する回収業務を債権回収会社に委託します。なお、債権回収会社は競売による回収をおもな目的としていますので、この時点で競売処分が現実的な段階に入ったということになります。
③裁判所から「競売開始決定通知」が届く
債権者による競売申立てに対し、裁判所がそれを受理したという通知で、さらに時期を同じくして、不動産に「差押」登記が為されます。これは、「債務者は不動産の所有者ではあるが、債権者の了解なくして売却などの処分ができないようにするための措置」なのです。また、この1~2週間後に、裁判所の執行官による不動産の調査を現地(自宅)で行います。ちなみに、任意売却を専門家に依頼するのは、この時期がリミットの目安になります。
④裁判所からの最後通告「競売入札開始の通知」が届く
この通知には、「競売入札を2ヵ月後に行う」旨が記載されています。適切な言葉ではありませんが、「本気で競売しますよ」という意味の通知です。その証拠に自宅不動産の情報が、裁判所はもちろん、新聞、インターネット上に公開されることになるのです。
⑤競売完了手続き(入札・開札)
入札開始日(募集日)から1週間後に開札(入札結果判明)となり、落札者(最高入札額の提出者)が決まります。その後、落札者を新所有者とするための手続き(登記、代金納付)が完了すると、債務者は自宅に対するすべての権利を失い、直ちに自宅を引き払うことになります(競売完了)。
任意売却は「自分の意思で売却する方法」であり、「不動産情報で一般に売り出されている物件と同様に販売」されます。
勝手に処分される前に自分で売却を決断するのです。
それに、債務者にとって都合の悪い情報は伏せておけますし、相場に近い金額での売却も可能になります。
それと、固定資産税やマンションの管理費・修繕積立金などの滞納金、各種諸費用について、競売の場合は別途支払いを求められますが、任意売却ではそれらの費用が売却代金と相殺されることとなり、売却に伴って財布から出ていくお金はほとんどありません。
早めの対応が有利な解決への近道です。
住宅ローンでお困りの方は当社にご相談ください。